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コラム
第1回 生産性の視点
p01.jpg皆様、はじめまして。株式会社メップス、代表の山崎です。このコラムでは「マーケットに対する生産システムの付加価値開発をどのように考え取り組むべきか」を論点に綴ってまいります。テーマは生産プロセス固有の「収益性とコストの関係」「生産システムの生産性」「生産計画と推進管理化」「生産システムの価値概念」の4つです。筆者の体験を通して気づいた点を報告致します。皆様の御参考になれば幸甚です。

今回、第1回の表題は【生産性の視点】です。

不況・デフレと云われ、いつ回復するかわからない不透明な時代です。このような市場環境に対する生産部門のミッションは、競争優位性ある生産システムの構築を図ることです。そのために「より高次元な顧客価値創造への取り組み」「生産性向上と低コストプロセスの開発」を継続して実行することが重要です。

従来の生産部門の生産性向上の取り組みは「生産ラインの編成効率や稼働率向上」「生産資源の付加価値向上」等々、自部門中心の開発活動でした。生産性指標も時間当たり出来高・オペレーションシステムの資源効率・原材料の歩留りなど、投入資源と出来高の関係のものでした。

しかし、生産性向上への取り組みについて考察すべきことは、マーケットに立脚し、諸部門との連携により取り組むことと考えます。それは例えば次のような内容について連携して検討、計画を推進することです。
  • 工場に於ける様々なコスト構造への改善・改革
  • 生産性を基本にした諸部門のミッションの有り方
  • 計画機能の有り方
  • マーケットサイクルと生産プロセスの付加価値能力育成の進め方
  • マーケットの需要構造に即した生産ラインや編成の有り方
  • 製品群管理機能の生産仕様設計等の統制の有り方
このような取り組みによって、体系的で、且つムダのないコスト構造の構築を目指すことは、顧客の価値観に繋がる開発行動であり、生産システムのマーケット収益力向上を創出します。

また、生産性指標に関しては、設計や営業部門・調達部門等の関連性において、コストの視点から体系化することが必要です。そして、それによって「マーケット基準の生産性の有り方」や「生産プロセスの付加価値能力開発や運用の仕組み」を検討、「マーケットに対して価値ある生産プロセスの確立を図ること」に結びつけます。

ここで、生産システムの生産性の視点から、改善・改革のポイントを整理してみます。
  1. 製品群の生産プロセスデザイン
  2. 製品別の設計業務デザイン
  3. 需要構造に対する生産・調達の分担構造
  4. 生産システムを構成する諸部門の連携による運用効率
  5. 製造コストと推進管理の仕組み 等
以前、某材料メーカーの工場長からご相談を受けました。海外との競争の中で度重なる値引き要求がありました。また右肩下がりの需要という状況下で小ロット化、多頻度納品ほかのコストプッシュ要因が海外との価格差を広げたようです。今までも生き残りをかけて、生産ラインの効率向上を、まさしく血のにじむような努力をされてきました。実績も上がったのですが、やりつくした感があり、工場従業員のモチベーションはこれ以上、上がらないとのことでした。事業部からは、更なるコスト改善が要求され、これからの改善・改革の方向性を大変悩んでいらっしゃいました。
結果的にその材料メーカーでは生産システムを構成する各部門(営業・設計・調達・生産・物流)やそれらを統制する事業部が、生産性向上の視点を変えることによって、前述の1. ~5. の最良案の開発を行い、その実行に徹底的に傾注しました。

こういった生産性の視点に立って改善・改革を行い、各部門間の仕組みの確立を行えば工場で発生する様々なコスト構造を真に機能するコストに変えることができ、収益機能の強化が実現できるのです。
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