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第5回 【SCM】
部品組み立て.jpg一般的にSCM(サプライチェーンマネージメント)というと受注からお客様にお届けするまでの一連の物の流れと情報の流れの管理のことを言います。しかし、マーケットの対峙した時の生産物流システムにおけるコストや生産性を考えた時、SCMの機能や管理対象はこれだけで十分ではありません。例えば、次のような項目があります。
1)営業・生産・調達・物流に至る各部門の業務が最も効率よく運用されるようにコントロールする。部門別最適解ではなく全体最適の中で在庫と売上と稼働の関係をどうしていけば、収益力最大となるのかを求める。つまり、生産量・販売量・在庫量の同期性を高め、稼働率最大、機会損失や不動在庫の最小化を図ることである。
2)プロダクトミックスとセールスミックスの差、営業と生産の業務遂行におけるコストの概念の違いをコントロールする。営業部門のコストの捉え方は単品毎の見積りコストである。それに対し生産部門は生産量と設備稼働の運用の全体のコントロールによるコストの見方である。営業部門が自分達の売り方によってどのように工場の付加価値稼働率やコストに影響するかといった基準が必要であり、すり合わせを行う。
3)生産分担や内外作区分を決め、生産物流システムの編成効率を高める。
4)生産物流システムは業務横串のシステムであり、複数の部門が協同で行う。部門間に管理損失がある。SCMはこういった損失が管理対象である。これは変種変量への対応手配の中で“なりゆき”管理になりがちな部分であり、この損失が多くの企業で見過ごされている。部門間の十分な調整や仕組み作りを推進する機能である。
このようにSCMは『生産物流システム全体を俯瞰し、マーケット戦略に基づいて、全体最適解を求める機能、そして各部門がどのような業務遂行をした時に最も全体の管理損失最小、収益力最大になるか、そのコントロールを行う、また、行うための仕組み作りをする機能』なのです。
では、どの部門がこの目的と働きを果たしていくのか、それは各企業によって異なると考えます。各社で製品群も違えば需要構造、流通量、売価水準等も異なるからです。各社の固有の機能構成を前提として、SCM機能をどの部門が果たしていくかを決めることになります。例えば生産管理が果たす場合もあるでしょう。企業によってはSCM機能を専門に行う組織を編成することもあるでしょう。
生産物流システムは多次元の項目の上に成り立っています。例えば、設備能力、ロットサイズ、在庫方式、生産分担・内外作区分、生産品目体系他、様々な項目が互いに影響し合い、トレードオフの関係となっています。どのようなバランスを取った時、管理損失最小、収益力最大の最良な状態となるのか、それを追い求めるのが本来のSCMであると考えています。複雑で難しいコントロールではあるかもしれませんが、積極果敢に粘り強くチャレンジして欲しいと思います。
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